名門コースで実感する、クラブとの対話
タイ・バンコクの中心地から車で約1時間半。緑豊かな郊外に佇む「NIKANTI GOLF CLUB」は、現地でも名門として知られる会員制コースだ。ゴルフ好きなら一度は名前を聞いたことがあるであろうこの場所で、EPON新潟直営店プレミアムメンバー限定の特別ラウンドが行われた。

参加者には、旅の始まりを告げるようにネーム入りのゴルフボールとスコアカードが事前に届けられていた。
広大で丁寧に整備されたフェアウェイとグリーンは、まるで絵画のように美しい。芝は日本のものとはやや異なり、プレー感覚にも違いが感じられる。1名乗りのゴルフカートと、1人ずつにつく専属キャディの存在も、非日常のラグジュアリーを演出。言葉の壁を感じさせないキャディの気配りは、タイゴルフならではのホスピタリティを感じさせた。
このNIKANTIコース最大の特徴は、戦略性の高いホール設計にある。絶妙な高低差、精緻にレイアウトされたバンカーや池、そして一筋縄ではいかないグリーン。視覚的にもプレッシャーのかかるシチュエーションが随所に仕掛けられ、技術と判断力の両方が試されるコースだ。
そんなコースに挑む参加者たちが手にしていたのは、日頃から愛用するEPONのクラブだった。ある参加者は、「芝の感触が日本とまったく違う中で、クラブがちゃんと応えてくれるのが心強かった」と語った。別の参加者は、「普段使っているクラブなのに、コースが変わるだけで違う一面を見せてくれる」と、そのポテンシャルの広さを口にした。
名門コースの難しさを前にしても、むしろ挑む楽しさが増すのは、信頼できる道具があってこそ。
◼︎NIKANTI GOLF CLUB
https://www.nikantigolfclub.com/jp
「究極の一本」が生まれる現場へ
EPONの本社、遠藤製作所の工場を訪れた。ここは、日本で企画・設計されたアイアンヘッドが製品として完成するまで重要な工程を担う場所だ。静かで整然とした工場内では、職人たちが黙々と作業を進める。

EPONでは、製品形状のベースとなるマスターモデルを日本の本社で職人が細部まで徹底的にこだわって作っており、その形を細密に再現した金型で鍛造することで、重量や形状の個体差が極めて少ないゴルフヘッドを生み出している。
「ここまでこだわっているからこそ、クラブにしたときのばらつきがほとんどないのか」と参加者は驚きの声を上げた。
実際、EPONの品質基準は厳格に設定されており、重量や角度のわずかなズレも許されない。数値上の精度だけではなく、「見た目の美しさ」にも妥協を許さない。
「作り手の顔が見えたことと同時にEPONの妥協しない物づくりに触れ、より大事にしたくなった」。
工場を訪れ、目で見て、工程を知ることで、EPONのクラブを“選ぶ理由”が感覚として腑に落ちたと語る参加者たち。精密さ、美しさ、そしてプレーへの深い理解。EPONが貫くクラフトマンシップの根底は、「最高のクラブを届けたい」という情熱だ。
この旅で気づいた、ゴルフへの想い
製品のスペックや評判だけでは、伝わりきらないことがある。参加者の多くがそう感じたのは、現地でのラウンドや工場見学を通じて、クラブとの“距離”が確かに縮まったからだった。
「製造クオリティに一貫性があり、ものづくりへの丁寧さを感じた」
「使っていたクラブに、ちゃんと背景があるんだとわかった」
それぞれの感想には、驚きと納得が混ざっていた。
芝質の違い、ホール設計の難しさ――。簡単ではない環境のなかでも、いつものクラブがしっかり応えてくれる。そんな経験が、使い手としての自信にもつながっていたようだった。
帰り道の車中では、ふとした会話の中に、こんな言葉も聞こえてきた。
「もっとこのクラブを使いこなしたくなった」。
手にする理由が、ただの“性能”ではなく、自分自身のゴルフを深めてくれる“何か”へと変わっていく。そんな変化が、この旅にはあった。

――旅の終わりに見えたもの
「フィッティングで手にした一本が、理想のプレーへと導いてくれる」。
それは誰かが決めた言葉ではなく、旅を終えたプレイヤー自身が実感していたことだった。確かな品質、美しい仕上がり、比類なき打感。そのひとつひとつが、クラブへの信頼を少しずつ積み重ねていく。
「正しく振れば、ちゃんと応えてくれる」
「自分のゴルフに合っているのが嬉しい」
そんなふうに語る人たちの姿が、この旅の意味を物語っていた。
“自分にとって信じられる道具かどうか”。その視点こそが、旅の終わりに見えた一つの答えだったのかもしれない。
旅は終わっても、このクラブとともに歩むゴルフは、まだ始まったばかりだ。


















